高市総理が国会答弁の準備の為に、午前3時に出勤したことが波紋を呼んでいます。
常に気力体力を充実させておくべき国のトップな訳ですから、彼女の体調を心配する声が多いのは当然ですし、早朝と言うよりもこの深夜の業務対応の為に、関係者もまた共に過度な負担を強いられてしまっているという意見ももっともです。
但しもっと本質的な問題として、何故その様な対応をしなければならなかったのか、国のトップとは言え生身の人間ですから、それを短期間で使い潰す様なシステムや慣行が幅を利かせているとすれば、結局のところ国家国民の為にならないのは自明です。
本来政権に対する国会での質問は、元来は前々日までに提出し、それに対して関係する部署の官僚が専門的なものを交えて回答書の見本を作り、それを実際に答弁する総理や大臣が参考にしつつ対応するというものなのですが(現在は努力事項)、この締切時を軽視し、極端な者は前日の夜に送って来るベテラン議員も複数いるというのですから、呆れて物も言えません。
但しその様なベテラン議員も。時に形の上では前々日に総括的な質問状を出してアリバイを作り、その上で肝心な具体的な詳細部分を追加で前夜に出すというのですから、ここまで来るとかなり質が悪いと言わざるを得ません。
また本来ならば大臣に答弁させれば済む内容なのに、全てを総理に答えさせ、なおかつ何らかの言質を取ろうと、どうでも良い枝葉末節を根掘り葉掘り突っついて来る者もいます。
総理とやり取りすれば自分のPRになるということなのでしょうが、この様な者が国民の代表者であるということにも愕然とするものの、それを面白おかしく伝えるマスコミもいるので処置なしです。
国会は本来、国の行方を議論する場ですので、もっと正々堂々と国家や社会の課題対応について、やり取りをお願いしたいところですが、国会議員のレベルは国民のレベルを代表しているのですから、まずは国民自身が国家社会の事について自ら啓発していくことが必要であるかと思います。
嘗て中央官庁に勤めていた友人の話によれば、国会開催中はいつどの部署にどの様な課題照会が議員や大臣などからあるか分からないので、時に長時間ぼっーとただ待っているのが常態であると聞きました。
国家国民の為に働くという使命感が過酷な勤務を支えていた筈の中央官僚職に近年人気がないのも、この様な人材の無駄遣いを繰返しているからなのでしょうね。
国家として正すべき課題は山積していますが、まずはその中の最優先事項として国会改革に取組むべきなのではないかと考える次第です。


