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社内ブログ

円安を阻止できるか?

  • 2024.04.30
  • 投稿者:バーディー

昨日、一時34年振りの160円台という歴史的な円安となった途端、円買い介入?が実行され154円まで押し戻されるという激しい相場展開となりました(現在は156円台)。
この様な乱高下は、マーケットではある程度予想されていました。
それは、4月中旬に日米韓の財務大臣が集まって日韓の通貨安に懸念を表明した後に、米イエレン財務長官が「為替介入は特別な事態に対処するきわめて例外的なもので事前協議が必要」との主旨を発言し、日本による介入のハードルが上がった直後、日銀の会合では金融緩和策(円安容認?)をそのまま継続すると共に「現在の円安は物価に大きな影響を与えていない」と市場の投機筋の円売り姿勢を考慮しない様な発言をしたことから(日銀と市場では考慮する時間軸が異なりすぎる)、投機筋からすれば日本政府も日銀も怖くないと思われた結果、大幅な円売り投機がされ160円まで到達した模様です。

何れにしても、この水準での円安は日本の安売りそのもので座視しえない状況ですが、円安要因としては、米国経済の堅調による日米の金利差が拡大したまま継続する可能性が高いことや日本の貿易・サービス収支の赤字が膨らみ円買い需要が少ないこと、日銀が未だ金融緩和策を継続して大量の円を市場に供給し円安政策をやめていない点など、簡単に解消できない要因ばかりが挙げられています。
一般的に、円安は大企業の多い輸出企業は潤い、その結果、株価は上昇し、景気浮揚に資する反面、中小企業の多い輸入企業は苦しむという展開になると言われています。実際、東証プライムの上場企業は、史上最高益を3年連続で達成し、株価は上昇。その円安の利益で去年・今年と歴史的に高い賃上げを達成し、政府の提唱する「賃金と物価の好循環」になりつつある等のプラス効果は大きい(更にインバウンド好調)。

一方で、ユニクロ柳井会長が円安を痛烈に批判している様に、円安→輸入品高騰→インフレ→賃金減少(23ヵ月連続実質賃金減少)及び個人消費減少(実質消費12ヵ月マイナス)と悪循環の面が強まりつつあります。
更に国際的な人材獲得競争でITやデータ分析を行う高度専門家の取り合いになっていますが、円安や専門的能力に関する賃金水準の考え方の違いによって、日本の賃金は安すぎて高度人材を採用出来なくなっているなどの問題も指摘されています。
あるエコノミストは「日銀の異次元緩和の負の遺産で、不適切にも程がある円安」と評しています。トランプ前大統領も「ドルは対円で34年ぶりの高値を付けた。米国にとって大惨事だ」と投稿したと伝えられています。
 
一方、国際金融のトリレンマという考え方からは、円安阻止は難しいでしょう。
「国際金融のトリレンマ」とは、一国が対外的な通貨政策を取る時に、➀為替相場の安定、➁金融政策の独立性、➂自由な資本移動、の3つのうち、必ずどれか一つをあきらめなければならないというものです。日本は➁と➂を採用しているので、➀の為替増場の安定性は放棄せざるを得ないことになります。
今回の円安は、円と言う通貨に本質的構造的な問題があって円安になっているとしたら、介入は一時的な効果しかなく日本政府にとってやりようがない厄介な問題を抱え込んでしまったのかも知れません。
この円安が日本の国力に対して、吉と出るか凶と出るかは、5年~10年後の世界で判明するのではないかとも感じています。

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