遅れている梅雨が始まる前に散歩の足を伸ばして久しぶりの駒込六義園を訪れた。
六義園は、小石川後楽園とともに江戸二大庭園に数えられ、元禄8年(1695)五代将軍綱吉の
下屋敷として与えられた駒込の地に、柳澤吉保自ら設計、指揮を取った「回遊式築山泉水庭園」
が築造され、明治時代に岩崎彌太郎の所有となり、昭和13年東京市に寄付され、開園、一般公開となった。
駒込駅から5分程で六義園正門に入った途端、300年の歴史ある大名庭園の圧倒的な舞台に引き摺り込まれる。
自然の景観とは相対的に隅々まで手入れの行き届いた作品を見る感覚が堪能できる。
訪れる季節毎に庭園を彩る花は違い、今の季節は紫陽花が楽しめるが、今まで見た事の無い紫陽花を含めて
10種類程が見頃である。
梅雨に向かうこの季節、草木の緑がどんどん深くなり、私は緑のグラデーションが庭園の一番のご馳走と感じた。
都心の建物が再開発され、新たな建物によってどんどん景観が変わってゆくのも必然的に時代の流れであるが、
300年変わらない景観を維持し、時代に流される事無く、更に磨き上げていく事の重要性が改めて感じられた。
歴史ある庭園を巡り、トラディショナルを堪能しつつも、空腹感を満たしたのは、こちらもトラディショナルで
歴史のある白木のカウンター、駒込「とんき」のとんかつ定食のご馳走であった。
今の時期、駒込六義園、お勧めです！