米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利を収めました。それも事前に言われていたような接戦ではなく、いわば圧勝と言っても良い内容です。
そもそもアメリカの主要メディアには民主党贔屓が多く、それをただ受売りして垂れ流ししていた日本の多くのマスコミ報道を読んでいた日本国民は意外な感を持ったかもしれません。
ここでは今回の結果の要因には詳しく触れませんが、現状の物価高騰や経済格差に対する不満、並びに従来の伝統的な文化や価値観を民主党がないがしろにしているという忌避感が米国民の間でかなり大きかったものと考えます。
いずれにせよ彼の国の国民の過半数が民主的な手続きを以て選んだわけですから、嫌だとかきらいだとか言っても何も始まりません。
日本のリーダーには現実を直視してそれを受入れ、その上で国益を考えたしたたかな外交姿勢を望みたいと考えます。
また単純化して言うと民主党はリベラル政党ですので大きな政府を志向し、(良く言えば)政府が主導して理想を実現しようという性向があり、いわゆる「政治的或いは倫理的に正しい」というPⅭ(ポリティカルコレクトネス)を推し進めていましたが、ややもするとそれが民衆に対する押しつけとなっていたということがあります。また脱炭素に熱心でもありました。
一方共和党は保守のカラーが強く、これらと反対の政策を現実主義的に行うことになるかと思います。早くもパリ協定を脱退して炭素エネルギーを積極的に活用する動きがありますし、また小さな政府を志向して伝統を大切にし、減税も含めて上からの押し付けをなるべく少なくする方向になるかと思います(その成功例がレーガン大統領でした)。
むしろ気になったのは、この米国大統領選が始まる前から多くの日本人のメンタリティが極めて受身的或いは従属的であったことです。
私の仲間の会合でも(半数以上が既にご隠居)、トランプとハリスのどちらが良いかで喧々諤々、まさに口角泡を飛ばして議論しており、私が「はあ~」といった表情で呆れて傍観していたところ「お前はどう思うか」と聞かれたので「どっちでもいいよ、大体自分達の力が全く及ばない事で議論をする事など無意味であり、どちらがなってもそれに応じてしっかり外交をするだけ。それに人も物事も良い面とそうでない面の必ず両面がある。それを良く把握して対応すればいいんじゃない」と答えました。この様な非生産な話は時間の無駄であり、関わりたくないと思っていた次第です。
いずれにせよ相手の事よりも、まずは自分達の事、自分達の国やそのリーダーを良く知り、行動基準を決めるのが第一であるかと考えます。
日本国もいい加減に「あなた次第」ではなく、次世代の為にも真に自立した国家を改めて構築していきたいものであり、僭越ながらそれは、まず個々人の生き方から始まるのではないかと考える次第です。