新光産業株式会社

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社内ブログ

中国について思う

  • 2021.03.25
  • 投稿者:バーディー

最近、ニュースで米中の対立を目にしない日はありませんが、先日、米国の国務長官らと中国の外交トップが会談しましたが、会議の冒頭から非難の応酬となり、合意文書も作成できず次回の会議日程でさえ決められなかったと報じられています。今や米国にとって「地政学的に唯一の競争相手」と名指しされた中国の勢いは、他の先進国がマイナス成長の中、コロナ禍の昨年でさえプラス成長を維持しています。

 

そんな昇り龍の様な中国には自然と目が行きますが、先月、テレビ東京の「中国のIT最前線」で、中国での「オンライン医療事情」の実情が報道されましたが、その内容は、私にとっては衝撃的でした。

それは、「風邪をひいた人が医療機関ではないネット通販業者大手のJDドットコム(日本で言えば楽天)が運営する医療ネットにアクセスし、風邪の症状に関する幾つかの質問事項に答えると、それを見た同ネット上に登録している「医師」が、瞬時に数十名以上も一斉にPC画面に表示され、病名とその対処法や処方箋まで指示してくれ、それの内の一人の医師に注文すると、30分以内に宅配業者が薬を届けてくれる」との内容でした。

また、もう一つは、癌などをCTMRI等の画像装置で診断する際、画像診断医の代わりにまず医療AIが数千枚もの画像を昼夜を問わずチェックして癌の箇所を発見するシステムで、これは、人間がやればベテラン画像診断医でも同じ画像を最低3回はチェックしないと発見できない程の精度の高いもので、既にいろいろな病院に実戦配備されているとの報道でした。

 

因みに、今や日本でも「LINEドクター」の様なオンライン診療が開始され、薬も指定薬局で受け取り可能ですが、原則、初診での利用は禁止されており(コロナ禍の現時点では特例でOK)、少なくとも一般的な医療機関の利用法ではなく、上記「LINEドクター」の東京での登録医は数十程度しかありません(この様に、日中の彼我の差は大きい)。

 

古い話で恐縮ですが、私が四半期以上前に前職で中国プロジェクトを担当していた際に視察した「工場の医務室」には、薄汚れた白衣を着た冴えない?医師と医療用のガラスケースには、数えられる程の医療器具と薬しかなく、ひどい診療所だと感じましたが、今や隔世の感があります。

 

共産党一党独裁にも拘らず、或いは一党独裁だからこそかも知れませんが、現在、中国では、まず規制を緩和し実際にやってみて問題があれば禁止・休止するが、問題点を修正すれば再開可とする(大胆に試す)原則が、自動運転・医療他のいろいろな分野で社会実験されている模様です。

コロナワクチンも、中国は、いち早く開発し新興国に「ワクチン外交」と言われるほど、大量に供給しています。一方、日本は感染症研究では、世界の最先端にいると評されている割には、未だに国産ワクチンは、実現していません。

 

飽くまでも個人的なイメージですが、日本に取り「中国は、四半世紀以上前には、かすかに声が聞こえる程度の存在あったものが、10数年前には肩の後ろに足音が聞こえる存在になり、今は、伴走か若しくは、もう既に中国の後ろ姿を見上げている状況になった感じがしています。

 

コロナ禍でデジタル化遅れなど日本の問題点が噴出しましたが、現在の国会での与野党の討議内容や政策のスピードの遅さなどを見ていると、このまま日本が国全体として変わることが出来なければ、早晩、中国は、後ろ姿はおろかその内、遥か先の見えない存在になり兼ねないと感じている方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

内々の決まり事や常識・論理に囚われることなく、不断に且つ柔軟に自らを変革していくことが何よりも求められているものと思われます。

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