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社内ブログ

明治の精神

  • 2022.02.17
  • 投稿者:社長

 以前からブログに記している通り、私は読書が三度の飯よりも好きで、一日の至福の時は、就寝前の少しばかりの時間にゆったりと本を読むことです。

 対象となる本は特定のジャンルに拘らず、あらゆるものに好奇心があり、社会科学から自然科学、更には純小説に至るまで一度に2~3冊並行して読み進めています。

 さてここ一ヶ月ばかりの間に読んだものの中で、とりわけ2冊の本の余韻が、未だ心の中に残っています。

 一冊は西堀栄三郎著の「石橋を叩けば渡れない」、もう一冊は中谷宇吉郎の随筆集である「雪と人生」です。

 化学者である西堀氏は東芝のエンジニアでしたが、ちょっとした縁で第一次南極観測越冬隊長となり、その後京都大学教授や日本の山岳協会の会長を務めた異色の経歴を持つ方です。

 とにかく挑戦精神が旺盛で、創意工夫の天才、そして純粋な科学的研究から現場での泥臭い作業、更には人の指導やその後援に至るまで、縦横無尽の活躍をした人物です。南極で材料が殆どない中で僅かな紐を芯にして、氷の石油パイプラインを作ったり、部下の心理を良く読み解いて硬軟両面を使い分けて士気を高揚させたり、その発想は留まるところを知りません。

 何かを始める際にあまり考え過ぎて石橋を叩き過ぎると、リスクばかりが目に付いて足が動かなくなる。どこかで見極めて決断実行することが大切であり、時には「知らぬが仏」の心得も必要であると説いています。

 一方の中谷氏は物理学者で、世界で初めて人工雪の結晶を作り出す事に成功した方です。紹介した本は、その成功に至るまでの地道で様々な研究や創意工夫から始まり、樺太の調査や科学的な考え方の考察に至るまで、誠に興味深いエッセイ集となっています。

 このお二人に共通しているのは明治の人であるという事。残念ながらひ弱となってしまった現代日本人と違い、自分の頭で考えかつ実行しながらも、現場を常に良く見通し、また筋の通った生き方をしつつも現実主義であるという、真に自立した、まさに明治の精神を体現した方たちであると実感します。

 しくじればこの国の未来はないという、当時の弱肉強食の世界の中で、自らの同胞と子孫の為に、逞しく生き抜き、社会を築き上げた明治の人たちの心意気が、長く心地良い余韻となっているのであると改めて感じました。

 現在2冊とも、当社ライブラリの蔵書となっています。

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