将棋の八大タイトルの内の一つ「棋聖戦」第一局が、今週月曜日にベトナム中部の都市ダナンで行われ、藤井聡太棋聖が挑戦者の佐々木大地七段にまず先勝しました。

　先月の名人戦で渡辺明九段を下して新名人となった藤井聡太棋聖は、現在八つのタイトルの内の七つを持ち、七冠との呼称を受けていますが、とにかく対局が過密日程であり、かつ今回は海外での対局でしたので、若干二十歳とは言え棋力は勿論の事、気力と体力を整えておくことが今後ますます大切になって来るかと思います。

　因みに将棋の海外対局の第一回は、約５０年近く前にハワイで行われたそうですが、時差もかなりあって対局者にとっては相当大変な催しであったかと思います。今回はベトナムですので時差もあまりなく、若い藤井七冠にとってはむしろ気晴らしになったのかとも推察しますが、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手と共にとにかく日本の宝ですので、周囲のサポートも是非お願いしたいところです。

　さてこの一昨日のベトナムでの対局はネットで中継されていましたので、帰宅後夕食を取る傍らパソコンをつけっ放しにして観戦していました。近年はＡＩによる優劣評価が出るので対局中も大体の情勢は分かり、夕食中に終わるのかなと思ったのですが（但し過去にはＡＩが一旦は悪手と断じた藤井七冠の着手が、その後更に詳細なＡＩの分析の結果、一転して絶妙手と認定されたこともありましたので、その数値は絶対的なものではありません）、その後挑戦者の粘りもあって結局終了は午後９時頃となりました。

　私は高校から大学に入る頃までは、将棋が正に三度の飯よりも好きだったのですが、プロともなると長時間の対局で脳味噌が費消するエネルギーも半端ではなく、一局の終了時には体重もかなり減ったりするそうです。

　藤井七冠が食べたおやつが対局の度に話題となり、名人戦最後の対局で食したスイーツは現在注文してから三か月待ちなのだそうですが、おつむで費やすカロリーを考えれば、甘いものの摂取はまさに理に適っていると言っても良いでしょう。

　是非今後とも、太平洋の向こう側で異次元の活躍を見せる大谷選手やイギリスで大きな話題となっているサッカーの三苫薫選手など共に、その若い力で日本の未来を切り開く灯火を掲げて行って貰うことを、期待を込めて頼もしく見守っています。